過去ログ
前部室過去ログ(2005)
前部室過去ログ 2005/01/01 ─ 2005/12/31
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[1117] U571の音声解説にて
皆様、はじめまして。
以前からDas Bootの大ファンで、DVDで何度も見返しています。先日ですが、U-571をレンタルで借りて観たのですが
監督の音声解説の中で「Uボートの士官はナチの精鋭だった」
という発言があります。これは本当なのでしょうか?。
また、Das Bootはドイツが製作した映画なので
乗組員の設定が事実とは逆だ、とも言っています。Das Bootのファンとしては「納得できないぞ、コラッ!」
と思いながら観てしまったのですが(苦笑)、
そのあたりのことを詳しい方がいらっしゃいましたら
よろしくお願い致します。 -
[1116] ドップラー効果
U99さん、丁寧なお返事ありがとうございます。お陰さまで体調も無事回復し、元気に仕事に取り組んでおります。いつもながらU99さんの博学、造詣の深さには感銘しております。今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。
ところで、前回はベットで熱にうなされながら、うつらうつらと考えたことを記したために、色々と誤解を生じたようで、申し訳ありません。またそれに対して誠に丁寧なお返事を頂いて恐縮しております。
私が申したかった「音のドップラー効果」について、ここで追加して説明したいと思います。
ドップラー効果といいますと、よく例えられるのが救急車のサイレンの音で、救急車が近づいてくるときと遠ざかるときでサイレンの音の高さが変わることです。つまり、音源が動いている場合、音の周波数が変化する現象です。ですから、Uボート側から聞いた場合、Uボートに対して動いている駆逐艦から発せられるアスディックのピン音の周波数も変化して聞こえることが想像されます。この変化するピン音の周波数はピン音自身の周波数とともに間歇的に発せられるピン音の間隔も含むと考えられます。私は決してドップラー・ソナーのことを云っているのではありません。単にUボートの乗組員が聞いているピン音の様子について云っているだけであります。
ここで、地上の大気中で経験するドップラー効果と水中でのドップラー効果を比較してみましょう。まず救急車が時速60km/hで走っているとすると、秒速だと約17m/秒で、一秒間に約17m進みます。音は空気中では約340m進みますから、救急車が近づく場合には止まっているときより約5%早く、遠ざかるときは逆に約5%遅く音が届くことになります。
懐かしい公式を思い出して見ましょう。
fo=(V-Vo)/(V-Vs)*fs
fo:観測者の観測する周波数
fs:元の周波数
V:音速
Vo:観測者の移動速度
Vs:音源の移動速度
さっきの救急車の場合、止まっている人が聞こえる周波数は
V-Vo/V-Vs=340-0/340-17=340/323=1.05
約5%の変化があることが理解されます。だからこそ、われわれの耳でもその変化を捉えることができるのです。
では、Uボートと駆逐艦の場合はどうでしょう、
当時の駆逐艦がアスディックで探知中となるとその速度は約10ノット程度と考えられます。時速で云えば、まあ約18km/hで、秒速なら5m/秒に過ぎません。さらに水中の音速は大雑把に云って約1500m/秒(当然、海水温、塩分の濃度、海流といったいろんな因子の影響は受けますが)と大気中よりかなり速いです。Uボート側も複雑な回避行動をとっているはずですがここは海中で止まっていると仮定して、駆逐艦が10ノット相当でUボートに近づいているとしましょう。この場合、Uボート側で聞こえるピン音の周波数変化ですが、先の公式どおり、
V-Vo/V-Vs=1500-0/1500-5=1500/1495=1.0033
つまり、わずか0.33%しか変化しないのです。
ですから、船団攻撃後に駆逐艦に追われる場面で、駆逐艦の発するピン音が駆逐艦が近づくにつれてあれほど間隔が早まり、かつ甲高くなっていくのが私には不自然に思え、演出過剰と思った理由であります。
ただし、ここでの問題は駆逐艦の発するピン音の間隔は一定であるという前提が必要なことであります。当時のレベルを考慮すれば、発する周波数は幾つかを手動で可変、もしくは幾つかの周波数の音波を同時に発して計算していたと想像されますが、当時の計算機の能力からは同一間隔の方が跳ね返ってくる音波との時間差や自分の運動速度などから計算し易いことから、勝手に一定だったと思っているだけで、この点はU99さんにお尋ねしたいところでもあります。ちなみに医療用の超音波エコー診断装置では、そのプローベから発する超音波は一定間隔であります(但し、あの駆逐艦が発するような、あんな呑気な間隔ではありません)。
以上が、私が前回申し上げたかったドップラー効果のことであります。
ですから、私にはあのピン音の間隔も(ある意味)いい加減であり、バックに流れる効果音や音楽と相まって、例のTitelのピン音が聞こえたように思えたのかと、勝手に想像しただけのことであります。この点をご理解下さい。
今の仕事がひと段落したら、再度手持ちのDVD等を再度じっくり観て聞いてみようと思っております。また何か考察なりできましたら報告させて頂きます。未熟者を叱咤激励して下さい。
それから、私も残念ながら初期に販売された日本劇場版のビデオ(VHS)をここに持っておりません。これをお持ちの方のご意見も伺いたいと思います。
U99さんのコメントは本当に勉強になります。今後ともよろしくお願い申し上げます。 -
[1115] Ping....ping....ping....ping....
シンガポールさん
前回のアズディックに関する書き込みでちょっと訂正がありました。また、今読み返してみると、かなりキツい印象を与えますね。でもこれは、要点のみを簡潔・正確に表現しようとしたためにそうなったもので、もとよりシンガポールさんを問い詰めているということでは決してありませんので、念のため宜しくお願いします(知識や考えを交換するのは楽しいことだと考えております)。「駆逐艦の水測員は、パルスを発信するとその反射波を受信した後に次のパルスを発し、この操作を360度、発信角やビーム角、周波数を変化させながら行います。」
↓
「駆逐艦の水測員は、パルスを発信角やビーム角、周波数を変化させながら反射波が得られるまで両舷前方90度の範囲内に発します。」訂正した理由は、原文のように、もしパルスの反射波を受信していれば、その反射体(物体あるいは密度変化部分)が目標、あるいは少なくとも擬似目標となるはずであり、この時点でその対象にパルスを照射しつづけるでしょうし、その後さらに周囲にパルスを発信することは意味がないでしょうから、この表現は妥当でないと判断したためです。
また、艦首を振らないで、発信ヘッドのみの回転でパルス発信できる角度は左右舷それぞれ45度というのがこの時期のアズディックの限界のようですので、この点も合わせて訂正しておきます。
それと、音波のドップラー効果についても誤解なきよう追加しますが、別にドップラー・ソナーでなくても、反響音の変化、つまりドップラー効果による反響音の周波数変化を水測員が耳で捉えて、目標の大まかな運動方向を得ることはできます。前回、「ピン音(反射波)の周波数変化のことを述べられているのでしょうか」と書いたのは、この点を言いたかったわけです。ただ、繰り返しますが、ドップラー効果はピン音の間隔には影響を与えないと思います(それにしても、言いたいことを一発で正確にまとめられない文章力の欠如に、自分自身、情けない思いです)。
なすびさん
マッキンタイアの「海戦」ですが、私は恥ずかしながら未読です。また読後感をお知らせください。 -
[1114] 感謝です
“U99さん、どうもです。
> なすびさん
> >今読んでいるのは『海戦 連合軍対ヒトラー』ですが、通史としてよくまとまっていると感じています。
> ご存知かと思いますが、この著者こそ、あのU99を仕留めた憎っくきドナルド・マッキンタイアですから、心してお読み下さい(笑)。
どおりで、読み始めたとき、「どっかで聞いたことある名前だな」と思ったわけですね。『大西洋の脅威U99』ではP234に、「・・・・【前略】(原注:マッキンタイア現大佐は、巡洋艦ダイアデム艦長であり、殊勲章を二度受賞している。大佐は大戦中、ヘスペラス、ウオーカー、ビッカートンの指揮を取り、確認されているだけでもUボート7隻を撃沈、英海軍のUボート『撃沈王』として戦争を終えた)。マッキンタイアにとって今回の航海はウォーカー艦長として、また護衛部隊首席士官として初めてのものだった」とありました。
『海戦』で該当部分を見直しました。
シュプケ(U100)やクレッチマー(U99)が捕捉・撃沈される部分はP110-111にありましたが、駆逐艦ウォーカーの活躍ぶりはとくに目立つ記述にはなっておらず、著者自身が艦長を勤めていたとも書いていませんでした。文庫本なら2〜3ページ程度の内容で、かなり控えめな記述です。
著者自身にとってもかなり思い入れの深いと思われる戦闘にもかかわらず、事実を簡潔に述べるにとどめ、自身の功に一切触れていないのは、内容のバランス性をとったのかもしれませんが(本書で個人名が登場するのはUボート・エースを除けばほとんどが提督クラス)、マッキンタイア氏の謙虚な人柄が現れているような気がしました。その意味で、本書は信用の置けるものだと判断しました。ご指摘いただけなかったら完全に見落としていました。
ご教示、ありがとうございました。 -
[1113] 潜特 封印された最終兵器
皆様、いつもお世話になっております。
以前ご紹介した、五島列島沖合いで海没処分された日本潜水艦がディスカバリーチャンネル取材班らにより発見された件ですが、ついに標記のタイトルで放送がきまりました。
8月11日放送だそうです。http://japan.discovery.com/episode/epiintro.php?id1=814693&id2=000000
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[1112] ASDIC
シンガポールさん
体調ご不良の中で、アズディック音に関してレス下さりありがとうございます。今度は私の番ですね。そこで、まず確認させて頂きたい点は、私も、この映画自体のアズディックの音波発信間隔がおかしいとは思っていないということです。私が言いたかったのは、あくまで、曲名「タイトル」中のアズディック音と映画中のそれとの合成リズムが奇妙に感じられたという点だけです。ただし、これについては前回の私の書き込みの舌足らずな部分が誤解を与えてしまったものと反省しています。前回の発言で言いたかったことを述べる前に、まず、アズディックの原理についてここで確認させてください。先ず、駆逐艦の水測員は、パルスを発信するとその反射波を受信した後に次のパルスを発し、この操作を360度、発信角やビーム角、周波数を変化させながら行います。そして目標を探知すると、失探しないよう、その方向に絞ってパルスを発信します。一方、潜水艦に当たるピン(ping)音の間隔は、パルス発信源(駆逐艦)が目標(潜水艦)を探知していれば、また、距離が同一であれば、一定です。そして、目標物までの距離が長であればピン音の間隔も長、距離が短くなればピン音の間隔も短になります。音波の到達・反射時間は距離に比例するからです。映画もそれによって距離を表現しており、これが間違いだとは私も思っておりません。また、駆逐艦とU96との距離が縮まっていくにしたがって、ピン音間隔が長から徐々に短になっていくリズムの変化も一定であると言えると思います。「ピーン・・・ピーン・・ピーン・ピーンピーン(近距離で消滅)」という具合に。でも、私が82年に同映画を鑑賞した際は、こうした「一定のリズム変化」とも合致しないピン音が入っていた記憶があるということです。
また、このピン音の間隔はあくまで目標物との距離によるものであって、ドップラー効果とは関係ないと思います。目標の移動速度を把握するための、いわゆるドップラー・ソナーについては存じておりますが、この映画の舞台となっている41年に存在したアズディックの型は恐らく127あるいは128型であって、これらはドップラー・ソナーではないのではないでしょうか。それとも、ピン音(反射波)の周波数変化のことを述べられているのでしょうか。間違っていたらご指摘ください。
さて、ここで、同一シーンにもかかわらず、音楽が入っているものと入っていないものが実際にある事実を指摘させてください。それは、U96がジブラルタルで空襲を受けてから、駆逐艦の砲撃が激しくなったために潜航せざるを得なくなるまでのシーンです。DVDのパーコレでは、このシーンで曲「U96」がかかっているのがTVシリーズ完全版とDC版であり、一方、オリジナル劇場公開版(この元となったLD版も)には曲がかかりません。ただし、オリジナル劇場版でも、今は廃盤となっているビデオ版では、このシーンに曲がかかっていた記憶があります(どなたかご確認を)。要するに、これは挿入曲の編集の問題だと思います。そして、こういう例があるのだから、私が観た82年の劇場公開でも、今我々が観ているものとは違った曲の編集があったとしても不思議ではない、つまり、船団攻撃後の爆雷攻撃シーンで曲「タイトル」がかかっていたとしても不思議ではないのではないかと考えている訳です。
また長々とすみません。なお、レスに時間を要してもご心配なく。私もマイペースでやらせて頂いておりますので(笑)。
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[1111] 各位へ返電
U44さん
それにしても、一つの戦争映画を超えて人生観にまで踏み込んだお話がお互いできるとは。ご自分の内面を正直にお話しされるU44さんに感謝します。gonrokuさん
ツァーン艦長の戦果はローヴァー博士によれば、雷撃による撃沈1、機雷による撃沈1、損傷1の計7281トンだけです。私も昔から「ノイローゼ」説は気になっておりました。これもまた将来の調査課題にしてみたいと思います。
>フランス書院の隣に潜水艦コーナーを・・・・
いやはや、その挙動不審なお姿を是非とも見てみたかった!
そうそう、「デーニッツVSホートン」、今度見せてくださいな。なすびさん
>今読んでいるのは『海戦 連合軍対ヒトラー』ですが、通史としてよくまとまっていると感じています。
ご存知かと思いますが、この著者こそ、あのU99を仕留めた憎っくきドナルド・マッキンタイアですから、心してお読み下さい(笑)。ではでは。
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[1110] 『鉄の棺』届きました
皆様、いつもお世話になっております。
今日、ヘルベルト・ヴェルナーの『鉄の棺』が古書店から届きました。
状態もよく、満足です。
しかし、未読の本が大量にあるので、手をつけるのはだいぶ先になりそうです。
今読んでいるのは『海戦 連合軍対ヒトラー』ですが、通史としてよくまとまっていると感じています。 -
[1109] 地震の時
シンガポールさん、どうもです。お体の具合はいかがでしょうか。
地震のとき、私は家族といっしょに公園におりました。
はじめ「少しゆれてる気がするな」と思っておりましたら、やがて激しい横揺れに。
自転車が倒れ、他の家族連れから悲鳴や叫び声が聞こえました。
思わず家族に「落ち着け」と叫びましたが、幸い、揺れは長くはつづかず、たいしたこともなく終わりました。
揺れがおさまったとき、さっき叫んだ「落ち着け」、まさに爆雷攻撃を受けていたときの艦長のセリフだったなぁと思い出しました。こんなときにも思い出すUボート。もはやなすびの体の一部と化してしまったようです(笑)。 -
[1108] なすびさん、同感です。
先ほどの続きでなんですが、なすびさん、わたしも家人の理解がなく苦労しています。
なすびさんのお気持ちはよく分かります。
わたしはクラシック音楽を聞くのも好きで(当然、ドイツ系ですが)、クラシック音楽を聞きながら、Uボート関連の本(その他、第二時大戦を主に兵器ものは何でも)を読んでいたり、ながめているのが至福の一時なのです。わたしは酒もたばこも賭け事も色事もなにもしない(本当です)、上記のことが唯一の楽しみの人間なのです。
この気持ちを理解できる仲間がここシンガポールにはいなくてさみしい思いをしています。このサイトを見ているとなんか元気が出てきます。
なすびさん、U99さん、gonrokuさん、皆様、これからもよろしくお願い申し上げます。