過去ログ
前部室過去ログ(2004)
前部室過去ログ 2004/01/01 ─ 2004/12/31
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[860] Torpedovorhalterechner
憂96さん
>ここ数年ROMってました。
はじめまして。Uボート乗組員並みの忍耐力ですね。もっと早くカミングアウトして頂きたかったですが、こういう方がまだまだいらっしゃるのだいうことが分かり、この映画の大ファンである私としても非常に嬉しいです。宜しくお願いします。>字幕は手書き文字だったら最高なのに。
全く同感です。あの、味がある字体っていいですよね。例えば「攻撃」の「撃」という字なんて、独特の字幕専用文字がありますし、まさに「洋画」を観ているという感じになります。いずれにせよ、楽しみですね。さて、前回の続きをまた。TVRについて私は前回、「何かの文献に『お飾りのような機械』という記述があったことを記憶している」と書きましたが、これは大日本絵画の「UボートVII型」のP173「攻撃用潜望鏡とUZOは、共に司令塔内後部に搭載された機械式攻撃用アナログ計算機(実際はお飾りのような機械であった)に繋がれていた」という部分であることが分かりました。
当該カッコ内部分、気になったので原典””TYPE VII U-BOATS””に当たってみると、””…a mechanical analog attack computer(essentially a glorified adding machine)””と記述されています。ここは、「お飾りのような機械である」というよりも、「コンピュータ」という単語に対する注意書きとして、「実際は加算機に過ぎないものを大袈裟にいったもの」という意味で筆者は言っているものと思われます。つまり、「コンピュータといったって、今のような電子的に高度なものではなくて、中の歯車なんかがガチャガチャと動いて答えが出る昔の計算機ですよ。コンピュータという単語に惑わされてその点を勘違いしないで下さいね」ということです。だから、この機械の信頼性について特に言及しているわけではないようです。
一方、gonrokuさんの書き込みは、学研「Uボート戦全史」P138の「UZOは、雷撃計算機と連動しており、捕捉した目標の発射緒元(データ)が自動的に発射管制盤に入力される。もっとも、雷撃計算機の信頼性は低く、実際には艦長と、水雷長である先任将校が各諸元を計算し、手動で発射管制盤に諸元を入力していた」という部分を参考にされたのでしょうか?
ここでいう「雷撃計算機」がTVRを差していることは明白であり、明確に「信頼性が低い」と書かれていますね。では、この部分をどう解釈すればいいのか、以下に検証してみたいと思います。
例えば、クレッチマー艦長のU99が1940年10月にSC7船団を水上攻撃した際、U99に搭載された新型TVRのテストを出撃前に行っていなかったために魚雷が外れてしまい、その後、同艦長は推測で魚雷を発射したというエピソードがあります。一方、U977の艦長ハインツ・シェッファーは、「大西洋上の闘いにおいてあげられた大戦果は、なんと言ってもまず第一にこの襲撃運動盤(TVR)があったおかげである」として、この装置を大絶賛していますよね。
さらに、実は日本海軍もTVRを入手しようとしていました。1942年8月22日にロリアン港を出港したイ30の艦内には5基のTVRが忍ばせてあったのです。しかし、日本への途上、同艦はシンガポール沖で触雷沈没してしまったため、TVRも海底に沈んでしまいました。当時の日本版TVRは、日本光学工業(現在のニコン)製「九二式方位盤」ですが、こうした装置がありながら、当時の日本がドイツのTVRを入手しようとした事実は、この装置の優秀性を裏付ける一つの傍証になるかと思います。しかもその値段は1基あたり1万7000ライヒスマルク。魚雷1本が2万5000ライヒスマルクで、これで家1軒が建つのですから、あんな装置でも高級車1台くらいの値段になったのではないでしょうか。もしこの装置が優秀でなければ、そういう高価なものを当時の帝国海軍が5基も購入しますでしょうか。
もっとも、やはり工業製品の常で、TVRも色々と改良されていったのでしょう。TVRについてはS1からS3まであったことが分かっていますし、映画「Uボート」に出てくるものは実物と対比するとS3のようです。このS3も縦型(IX型用)、横型(VII型用)とあり、さらに細かい点が違うものが存在することが写真によって確認できます。
以上を結論付けると、「初期のTVRは信頼性が足りなかったことも否定できないが、改良が続けられて雷撃には不可欠なものとなった」と言えるのではないかと思います。
今回気付いた点があと一つ。大日本絵画の「Uボート総覧」ではTorpedoVorhalteRechner=TVRが「方位角計算機」と訳されていますが、Vorhaltは「方位角=Lage」とは違います。方位角とは、相手側からみたこちら側の方位の角度のことですし、これは映画「Uボート」のように水上攻撃時は先任がその推定値を出します(もっとも艦長がこれを行ったこともあるようですが、あくまで水雷長は先任です)。一方、Vorhaltとは、直訳すれば「偏差角」のことであり、これは照準線(目標の現在位置と自艦を結ぶ線)と、基準線(目標の未来位置と自艦を結ぶ線)が交差してなす角度のことです。この角度を計算する装置がTVRであり、これこそがこの装置の本質です。ただし、実際の射角は、この偏差角だけでなく、斜進角やら、扇状発射の際の散布角やらを調整してやっと出るものです。しかも標的も自艦も動いているわけですから、総合的な相関関係を把握するのがいかに難しいか。でもそれをTVRにやらせれば数秒で完了!という訳です。
以上、また知ったかぶってゴチャゴチャと書き連ねましたが、最後に一言。以前も書きましたが、人の間違いを上げて、その人をつるし上げるのは私の趣味に合いませんし、そんなつもりも全くありません。私の目的はただ一つ、Uボートについての正確な「事実のみ」が知りたいということです。ですから、もちろん私への反論もあって然るべきだと考えています。それが事実への解明につながれば、私としてもこんなに嬉しいことはありません。
ではまた。
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[859] 砂嵐にかすむUボート
初めまして。ここは数年間ROMってましたが、勇気をふるって書き込みます。
DVD、楽しみですね。私は小学生の時に親父に連れられて観たのが初「U・ボート」です。
抱き合わせのトビー・フーパー「死霊伝説」が物凄く怖くて「U・ボート」が始まる前から
すでに幽霊のヨハンになってました。それ以来、劇場盤のLDだかVHDからダビングした海賊版ビデオを朝な夕な観続けました。
船団攻撃のシーンなどは、真っ黒けで何が何だかほとんど分かりません。だいたい画質は
もう最悪で、今にもビデオデッキと心中しそうな異音も出ます。しかし、そんなザラザラ
な画質で観るのも趣があって良いものです。願わくばDVDもそういう荒々しいテイストが
出ていればなぁと思います。字幕も手書き文字だったら最高なのに。そんなわけで、TVRの計器など全く気付きませんでした。DVDを手に入れたら目を皿のよう
にして観てみたいと思います。他にも発見が多そうで今から楽しみです。
皆さん今後も宜しくお願いします。ではでは。 -
[858] 遂に!
皆さん、遂に「Uボート三部作」がまとまって出るのですね!私もさっそく予約しました。三部作の全てが収まるということが最初は信じられなくて、「Uボート・パーフェクト(ストーム)コレクション」じゃないかとも思い(疑い)ました(笑)。でも間違いでよかった。
私としてはオリジナル劇場版がDVDになるのが嬉しくて。私にとってはやはり劇場版がこの映画の原点ですから。今から22年前のあの日の衝撃・・・・。それにしてもあと約3か月か。待ちきれませんな!
gonrokuさん
メルテンとヴィレンブロックの関係についてありがとうございます。Uボートネットのこの記事、読んでいませんでした(汗)。マルシュさんが言われるように、私もまだ「なめるように」読んでいないということでしょうね(笑)。いずれにせよ、また一つ知識が増えました。ところで、魚雷発射用計算機(TorpedoVorhalteRechner=TVR)に関するgonrokuさんの解説について、ちょっと気になるところがあるので補足させていただきます。
TVRへのデータ入力について、少なくとも的速(Gegnerfahrt)、距離(Entfernung)、方位角(Lagenwinkel)、雷速(Torpedogeschwindigkeit)は自動ではなくて手動です(ゲームのサイレントハンターに出てくるTVRは確かにそれらを自動的に算出入力してくれますが、これはあくまでゲームだからです)。
TVRについては何かの文献に「お飾りのような機械」という記述があったことを私も記憶しておりますが、この記述はこの装置の機械的信頼性を指摘しているというよりも、的速などの雷撃データが所詮、艦長(水中攻撃時)や先任(水上攻撃時)による推定概算値であるために、最終的に正確な射角をTVRに算出させるには、艦長らがいかに正確なデータを得るかにかかっており、従って、こうした装置があっても先ずは艦長らの経験に依っているのだ、ということを言いたいのだと私は解釈しています。つまり、人間の経験が第一であり、経験がなければ正確なデータも得られないから、これらのデータを基にTVRが計算しても正確な射角も出ない、そうであれば、この装置は結局は「お飾りのようなもの」だと。
いずれにせよ、これらのデータを司令塔内のTVRにマニュアル入力するのは、水中攻撃時は先任、水上攻撃時はNummer Einsと呼ばれる兵曹クラスです。映画「Uボート」もこれを正確に再現しています。しかも、船団攻撃時に画面に映るTVRの各計器内の数値も、方位角や自針が変わるたびに正確に変化していることにお気づきでしょうか。私も、この映画がここまで拘っていたということに気づいたのはDC版のクリアな画面を見てからです。さすがは我らがDas Bootだと本当に恐れ入ったことを思い出しました。
ではまた。
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[857] マルシュ 殿、タイトルが未入力です
オメガ4さんやバルト海さんの疑問の答えはここに書いてあります。
http://www.uboat.net/fates/today.htm
uboat.netは隅から隅までなめるように読むといいですよ。
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[856] Uボートブンカー
ハンブルクの倉庫街(と言うのだろうか)にひっそりと残っていたUボートブンカー、
ついに取り壊されてしまったみたいです・・・この間行ってきたら砂地になってました。
どうやら、噂ではこのブンカーの水中深く(?)にUボートが沈んでるという話を聞いたことが
あるのですが、どなたか詳しい方いらっしゃいませんか? -
[855] U534
はじめましてオメガ4です 早速ですが私は以前から現存するUボートはドイツのU995?とアメリカのU505だけだと思ってましたが、あるサイトでU534が1993年に引き上げられたとゆう事ですこのUボートは現在どこかにあるんでしょうか?
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[854] わおっ
「Untergang」に来年公開の噂があるんですかぁ。
今日、教えてもらいました。
シュヴァレ、見つかるといいですね。変わっちゃってるでしょうね〜。
ペーターゼンが「マスター・アンド・コマンダー」の次作の監督?と言う噂も聞きました。
実現して欲しいなぁ。 -
[853] ついに・・・
>gonrokuさん
Uボート パーフェクトコレクション、確認しました。
他にディレクターズカット版、TVシリーズ完全版も別売りがあるようですね。
ホント、ついにLDデッキともオサラバになりそうです(笑)。
完全版と劇場版LDは、貴重だったのになぁ・・・。 -
[852] クレッチマン降格
マルシュさん、bさん
パーフェクトコレクションについての情報、ありがとうございます。
やはり3パターン全てが入るんですね。アマゾンにも情報が上がっていたので、リンクしておきました(TOPページ)。価格は定価で10290円で、20%OFFだと8232円。以前発売されていたDVDから考えると破格の値段ですね。
TVシリーズがDVDになるということは、遂にLDデッキとオサラバする日が来るのですね>クボヒロさん御さん
『U571』の不明点について、ここでも以前話題になっていました。
攻撃時に司令塔の攻撃用潜望鏡ではなく、発令所の対空用潜望鏡で攻撃を行っていたことについては、結論から言うと、「正しい」ことになります。
通常の攻撃時には、攻撃用潜望鏡で目標を捉え、目標の距離、速度、進路などは、攻撃用潜望鏡に連結された計算機に自動入力され、魚雷発射のために必要なデータがはじき出されて管制盤に入力されるのですが、その計算機は信頼度が低かったため、実際には手動で入力することが多かったようです。
なので、『U571』の場合、発令所内の対空潜望鏡で目標を捉え、目標までの諸データが艦長→司令塔伝令→司令塔の管制盤にいる兵に伝えられていたはずです。
※対空潜望鏡はレンズが大きい分、集光性が高く、そのため夜間あるいは薄明時の攻撃用としても使用された。(過去ログNo.111 U99さんの書き込みより)そして深度計の目盛の限度については、こちらも過去ログNo.321のU99さんの書き込みに詳しいですが、結論から言うとどっちが正しいかは「不明」です。『U・ボート』に登場するU96はVIIC型なので、許容潜航深度である200mを限度とした深度計があってしかるべきとは思いますが、演出上やむを得なかったのでしょう。今のところ(?)Uボートの深度計は200mと考えておいていいかと思います。
バルト海さん
はじめまして。
「In Enemy Hands」公開か?のウワサから一年、未だ公開されませんね…。配給が決まっているのでお蔵入りとはならないでしょうが、劇場の空き待ちなのでしょうか。まだ公開日が決定していないところを見ると、年内中の公開はムリなのでは…と危機感さえ感じています。アメリカではDVDも出ているのに。ちなみにこの映画でトーマス・クレッチマンは先任士官に降格したようですね(笑) -
[850] ほんとに
「トリコロールに燃えて」でもナチの将校なんですね。
ドイツ語聞けるから見に行こう。
名前、オットーでなく、トーマスですよね。