過去ログ

前部室過去ログ(2000)

前部室過去ログ 2000/08/09 ─ 2000/12/31

  1. [62] Re:日本のDVDの原盤は英語?ドイツ語?

    U99

    「ドイツ語で見よう」さん、こんにちわ。色々疑問をお持ちのようで。
    いままでの文章を読ませて頂くと、かなりのこだわりをお持ちの方とお見受けしました。やはりマニアなんですねぇ。
     前にも書きましたが、徹底的に、極限まで追求しようとする態度というものに私は惹かれます。
    「どうせやるなら徹底を目指せ!」これが合言葉です(「合言葉」と聞かれて”demarcation!”と答えてしまう人。私は「そちら関係」にも興味があります。おっと、gonrokuさん、関係ない話題で申し訳ありません)。
     さて、今回は「ドイツ語で見よう」さんの疑問の一つであるUボートの速力についてお話ししようと思います。
     Uボートの写真集などで機関インジケータをチェックすると、そこには速度の高い順に、Aeuss(erste)Kraft,Grosse Fahrt(後進にはこの段階がありません),Halbe Fahrt, Langs(ame) Fahrt,Kleine Fahrtの文字が見え、前進5速、後進4速であったことが分かります。しかし実際はさらに細分化され、前進は8速ありました。以下、ディーゼル、電動機使用時におけるVII型の速力表です。

                ディーゼル使用    電動機使用
    Kleine Fahrt      7ノット       1,6ノット 
    Langs          10           3 
    Halbe          12          4,5
    Zweimal Halbe      14           6  
    Grosse          16 7
    Zweimal Grosse 16,5 7,5
    Aeuss 16,9 8
    Dreimal Aeuss 17,4 なし
     この表が「ドイツ語で見よう」さんの、U96による船団攻撃時の射点占位運動解明に少しでもお役に立つと嬉しいのですが。
     因みにジブラルタルで空爆に遭い、艦長が全速で脱出しようとする場面で、”Beide dreimal wahnsinnige!”(直訳すると「両舷、キチ○イの3倍!」)と叫んでいますが、これは上の表のDreimal Aeusserste Kraftのことを指しています。また、Aeusserste Kraft(略してAK=アーカー)は英語ではfullではなく、flankに相当すると思いますが。
     以上、長くなりました。失礼しました。

  2. [61] Re:噂のマッカロイですが、、

    U99

    皆さんこんにちは。
    gonrokuさん、映画パンフに関する詳細なお答え、 
    誠にありがとうございました。また、言いそびれましたが
    色々な情報交換のできるこのようなサイトを作って頂き
    大変感謝しております。今後とも頑張って下さい。
    私も微力ながら応援させて頂きます。
    >写真は85%くらい変わっています。
    そうですか、そんなに違うのですか。そうなると
    全く別物と考えた方がよさそうですね。
    なんとか入手の方法を考えないと・・・・。
     あと、また質問で恐縮なんですが、der Alteはこの映画の中では
    30歳ですが、その役を務めているユルゲン・プロホノウは映画
    撮影中は実際何歳だったんでしょうか。彼の顔つきや刻まれた皺からは
    30歳には見えないといつも思っているのです(でも彼らは日本人より老けて見えるし、実際当時の艦長の写真を見ると、実戦によって鍛え上げられているせいか、20代でも「おやじ」に見えるからいいのかもしれませんが)。
     ヴェルナー少尉ことグレーネマイヤーは「俳優」というより、もう完全なロック「歌手」で、一昨年か去年、プロモーションビデオを出していました。かなりオジサンになっていますが、ドイツでは人気歌手です(彼、一昨年ころ、奥さんと兄弟を続けて亡くしたようで、かなり落ち込んでいました)
     それとLIことクラウス・ヴェンネマンは亡くなってしまったのですね。残念です。合掌。

  3. [60] 日本のDVDの原盤は英語?ドイツ語?

    ドイツ語で見よう

    ちょっと日本の皆さんに教えていただきたいこともあるので、また長くなりますが、説明します。

    例の方位角の話から始めると分かり良いかもしれません。あの言い方は前に出てくる駆逐艦攻撃の時と同じで、その時は「敵速12。舳先左、角度30。、、」と続くのですが、「舳先左、角度30」の適切な訳は方位角左30であることは指摘されている通りです。この部分ははっきり聞き取れるので、日本語版でもそんなに間違っていないのではないかと思うのですが、どうでしょうか?どういうわけか英語版では敵速は10になってます。
    船団攻撃場面では、また直訳すると「舳先右、角度50」といってるはずなのですが、英語版音声では「方位角(bow angle)、位置(または角度: bearing)50度」、ドイツ語字幕では “Lage 50” となっています。これはドイツ語音声が音楽に隠れて聞き取りにくく、「ウーク、イッツ、ラーゲ、フュンフツィッヒ」くらいにしか聞こえないので、Bug Recht なのか、Links なのか判断しかねたのかなと思っています。後の方で発射直前に面舵に切ってるので軍事知識があれば右だとわかるのですが。
    他にも英語版(そしてその訳であるドイツ語字幕)はいたるところで変更があります。その中には、船団攻撃開始の号令 “Beine Maschine AK voraus. Hart Backbord, Hundertsieb Grad gehen. Anlauf beginnt.” の訳 “All full, Left full ladder. Go to One Zero Seven. Prepare to Attack” のように米軍の号令としては正しいところもあります。(しかし日本語では、「戦闘準備」ではなくて、「戦闘、魚雷戦」という意訳は無理でも、「戦闘(攻撃)開始」「突撃せよ」くらいにしないといけません)
    私がHPで紹介している個所以外で目立つ差では,DVDだとチャプター9のウルマンとの会話に台詞が加えられていて,これはよく見るとヴェルナーの口が動いていないのでわかります。また,燃えるタンカーを処分したあとクリーヒバウムがいつ帰るのかを聞いたときに艦長は「私ががそう考えたときだ,一等航海兵曹(ヘア,オ-バーシュトイアーマン)」といいますが,英語版では「我々が帰るべき時でその前ではない。クリーヒバウム」となっているのでここはかなりの決め手です。ジブラルタルを抜けるところで,「取り舵20。両舷最微速(現代用語では無音航行)」は「電動機に切り替え」と意訳になって,そのあとの景色のシーンで,「航行灯を点けてくれるとは敵も親切だ」という艦長の台詞が追加されています。
     私は英語音声は全体として年齢制限をゆるめるため意図的に変えてあるという見方をしていますが,それに加えて細かいところでは,オリジナル版の英語字幕の伝統を守って,単純に最初の翻訳者が聞き間違えたとか,専門的知識がなかったとかいうのを受け継いだディレクターズカット吹き替えシナリオが作られてしまった可能性もあります。

    で、全体を見た感じ、日本語版はどちらが元になっているでしょうか、というのが質問の一つです。あと細かいことですが、船団攻撃時に潜航する直前、ドイツ語版では「アラーム」の前に何か言ってるのですが、よく分かりません。英語版ではカットされていきなり「アラーム」ですが、ここはどうなっているのでしょう。また、Kleinefahrt(弱速)を英語では米軍の用語で「速力3分の1」にしてありますが、日本語ではどうしてますか、日本海軍にも何ノットが何速というような決まりがありましたが、U-boatの速さではどうなるのか。

  4. [59] マッカロイ、続き

    ドイツ語で見よう

    残りまだ半分以上あるので、まだ結論を出すのは早すぎるかもしれませんが、マッカロイに聞こえる原因は次のようなものだと思います。(残りを見てまだ他にマッカロイがあれば報告します)
     第一に、最初の印象とは怖いもので、前記事のシーンのようなところに引きずられて、最初見たとき「ラッカロイ」「ナッカロイ」が「マッカロイ」に再構成されて記憶されたものと思われます。全般に比較的はっきり「へア、カロイ」と言っているナビゲーターの台詞でも、荒天で針路が維持できなくなったところ(チャプター25:日本語版では違うかもしれない)、大揺れの艦内でナビゲーターが Herr Kaleu! と呼びかけるのが最初見たときは確かに「マッカロイ」に聞こえました。が、聞き直してみると、「アッカロイ」かなという感じです。第二に、ドイツ語の母音は一般に、そして特にここのように本来子音があるのを飛ばした場合はそうですが、気道をいったん閉じて発音するので Herr Kaleu の始めが何か詰まって聞こえる。それが m 音ぽく聞こえることがあるようにおもいます。
    あと私の場合に限ってですがNa da komm.(さあ、来い)、 Da ist ga nicht. 〔これくらいは何でもない〕、 Na、 na、 na!(違う違う)、 Na?(どうだ?)といった、意味は分かるもののあまりなじみのなかった口語表現が続々登場したので、それに引きずられた面があります。Mein ->Ma となっても不思議じゃないな、と。

     ついでに「エリー」の聞き間違いの原因も分かりました。Tiefer LI. が、英語と違って rのフランス語式リエゾン(語末の「無音の子音」が後ろに母音が来ると復活するという規則。英語でリエゾンと言ってひとくくりにしている規則のうち、子音と母音がつながる規則は、フランス語ではアンシェヌマンという別の規則。)はないので、発音は当然「ティーフェレリー」ではなく、「ティーファー、(ェ)リー」で、その「ェ」なしで聞こえてたんです(「ティーファー、リー、シュネル」は自分でも何か急ぐときの口癖になってしまいました(^_^)。艦長はべつのとこで「アウフパスネリー」(おそらく、Aufpassen、 LI.)と言ってるので、ここ全部がわかってれば、「エリー」であることは判別できたはずなのでした。(ここはAufpass schnell LI.だと思ってました。)

     もっと根本の問題としてディレクターズカット版は英語が原本で、ドイツ語字幕は英語版の翻訳なので、音声と対応していないという問題があります(ドイツ語字幕では艦長はKapitaenで統一されています。LIは出てきません)。他の問題で指摘されている日本語版(音声、字幕)の不正確さもかなりこれと同根の問題と思いますが、これは稿を改めて投稿したいと思います

  5. [58] Re:ウルマン少尉

    ドイツ語で見よう

    >HerrKapitaenleutnant:4回
    >HerrKaleu(nt):31回
    >HerrKommandant:1回
    >Kommandant:4回
    >(der)Alte(おやじ):2回(3人称的使用…

    すっ、すごい。ここまで粘り強くやらないと、やはり外国語はうまくならないのですね。
     ディレクターズカット版はあまりに長いので、まず最初の1時間半くらい(船団攻撃の後の潜航まで)をチェックしたところまでの中間報告です。
     ここまでで20回 Kaleu(n) と呼ばれてます。あとは艦外の人間から Kapitaenleutnant Kapitaen と言われてますが、これは考慮しなくて良いものです。

     結論的にいうと、Herr Kaleuがその前の L N とリエゾンして、「ラッカロイ」「ナッカロイ」になるところは結構あります。丁寧に発音するときやch(発音記号x)s r(無音)のあとの場合は「アッカロイ」特別丁寧なのは例の次席の二回の呼びかけで、「ヘア、カロイ」。また、この映画の特徴ですが、標準語をしゃべるのは艦長、先任、LI、 Wernerくらいで、あとは訛りが強く、人によってリエゾンの癖も違います。ナビゲーターは一般にリエゾンしない癖があって、「アッカロイ」といってるのは前から気づいてましたが、この「ア」は何だという感じだったのです。

     ともかく、「マッカロイ」の例は、荒天下U32の発見した船団に向かうところで、次席が「もう何も見えません、艦長」と言うところ。Keine Sicht mehr (Herr) Kaleu.(途中にHerrがあるかどうかは聞き取れませんでした)、「カイネ ジヒト メア。カロイ」と言っていると思われますが、ここは注意しないと、「カイネ ジヒト、マッカロイ」に聞こえてしまいます。次席のアクセントはユーモラスで独特の雰囲気ですが、かなり聞きにくいです。
    長くなるので続きは別稿で。

  6. [57] 噂のマッカロイですが、、

    gonroku

    こんばんわ、gonrokuです。

    噂の「マッカロイ」ですが、『U96調査報告書』の研究室のなかで艦長は<Mann
    Kapitaenleutnant>であると書いています。
    もちろん、犯人は私です。すみません。書き直しておきました。
    なるほど、原作でも<Herr Kaleun>でした。
    私もマッカロイと聞こえた部分があった筈なんですが、
    それがどこかは只今確認中です。

    それと、U99さんの以前の質問の、映画パンフについてですが、説明いたしますと、まず、劇場版のパンフにあった、U96最後の航海の図(ちょっと真偽を疑う図です)とその下の文章がなくなり、増淵氏(彼に、艦長はトムセンではない!とおしえてあげたい。)によるエッセイが小峯隆生氏(日本映画監督協会会員、映画監督)にかわり、U96の全貌(VIIC型潜水艦)と乗組員時程がなくなってます。
    DC版では監督の『COMMENTS』、小峯氏の『ESSAY』、『INTRODUCTION』『STORY』『CAST PROFILES』(艦長、ヴェルナー、機関長、ヨハンを紹介)、『STAFF PROFILES』(監督、撮影監督、プロダクション・デザイナー、音楽、ディレクターズ・カット・プロデューサー、原作者を紹介)、『PRODUCTION NOTE』は、1は、音の編集について(保管していた400〜500のサウンドエレメントが湿ってしまい、51度のオーブンで加熱したこと)、2は映像について(AVIDのコンピューター編集システムを導入&オリジナルよりも人間に焦点をあてた事)、3はスタッフの意気込み(監督、サウンド・プロデューサー、サウンド・デザイナー、編集者)、4は、撮影時のエピソード(2艇の実物大と3艇の小型レプリカを造った事、カメラマンや俳優達の苦労、スピルバーグ監督による破壊工作(?)、日本での興行成績)、『HISTORY OF U-BOAT』(Uボートの歴史)。となっております。写真は85%ぐらい変わっています。
    長くなりましたが、この辺で。

  7. [56] ついに!

    元練習生

    みなさんこんばんは。
    ついに待ちに待ったUボートのサントラ届きました。
    私の大好きなMON GARSはなんと映画にでてきた踊り子さんの声で
    歌われていて・・・感動しました。

    歌詞の内容は解りませんが、これはドイツ海軍の歌なのでしょうか?
    日本の軍歌と違って、やっぱりノリがよいとつくづく感じました。

    ディペラリーソングも入ってたらもっとよかったのにと・・・
    それと、映画の台詞が入った曲もありよかったです。
    私としては、5隻からなる船団を攻撃するときの先任士官の魚雷発射の緊迫シーンをいれてほしかったなと思いましたが
    これは、私のわがままですね(笑)

    それでは、失礼します。

  8. [55] U-571NEWS!Part2

    gonroku

    『U-571』のDVDの発売が決定した模様です。
    2001年2月2日発売で、
    内容のほうは16×9スクイーズ映像、
    英語オリジナルは5.1chドルビーと5.1chDTS、
    吹替は2.0chドルビー。
    特典は本編にそった監督のコメンタリー(本編分、116分?)、
    U-571の建造模様6分、エニグマの秘密7分、U-110の捕獲(英)9分、
    U-505の捕獲(米資料)4分、予告、キャスト&スタッフ紹介、
    プロダクション・ノート、解説....
    52分の特典付で3800円となる模様。
    楽しみです。

  9. [54] Re:ウルマン少尉

    U99

    >いくつか「アッカロイ」系に聞こえるところもあるのですが、「マッカロイ」にしか聞こえないところもあります。
    「ドイツ語で見よう」さん。オリジナル劇場版(135分)でチェックしたところ、この映画の中では「艦長」は次のように呼ばれているようです(少なくとも私の耳では)。
    Herr Kapitaenleutnant:4回
    Herr Kaleu(nt):31回
    Herr Kommandant:1回
    Kommandant:4回
    (der) Alte(おやじ):2回(3人称的使用のみ)
    このうち、Herr Kaleuntが「アッカロイ」にしか聞こえないというのは正しい認識でしょう。これは、この語が乗組員にとっては一日何十回も言う決り文句であり、お互いに分かりきった言葉なので、発音が極力省略されたものと考えられます。実際にHerrのHの音とKaleuntのntの音を落として「エアカロイ」と何十回も続けて素早く口に出してみて下さい。ご自分の発音がこの映画に出ているドイツ人の発音と一致していることに気付かれると思います。
     一方、Herr Kaleuとはっきり聞こえる場面もあります。その一つはご指摘にあるように、水中聴音によって船団を追う場面(ここは劇場版にはありませんが)で次席が「大尉殿、大尉殿」と2回呼ぶところです。これは特に注意を促しているためにこのようにはっきりした発音にしたものと思われます。
     もうひとつの場面は、取り乱したヨハンが、その後艦長に謝る場面です。これはヨハンが「私は反省しています」という気持ちを表すため、Herrをはっきり発音し、改まった表現にしたものだと考えられます。
     以上、「アッカロイ」に関する私の解釈ですが、少なくとも私には、「マッカロイ」と聞こえる場面はありせんでした。もしよければ、具体的にどこの場面がそのように聞こえるか教えていただけませんか。

  10. [53] Re:U96の近況

    よーすけ

    U99さん、こんにちは。
    丁寧な解説ありがとうございます。いままで疑問に思っていたのですが、これで解けました。

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