Uボート映画
U-864 (日本を目指したUボート)
AM ENDE DIE HOFFNUNG
『U-864 (日本を目指したUボート)』、原題は『Am Ende die Hoffnung』で、2011年10月にドイツで放映されたTV映画です。
http://www.imdb.com/title/tt2071407/
主演は、『U-900』でUボート将校に男装したイボンヌ・カッターフェルト嬢。
物語は現代、ノルウェー沿岸でU-864発見のニュースが世界を駆け巡り、ドレスデンに住むエレンおばあちゃんが、疎遠だった孫娘を連れ、U-864の遺品を展示しているオスロへ向かうなかで、大戦中の思い出を語り始める。
http://www.sat1.de/filme_serien/am-ende-die-hoffnung/
以下、amazonより。
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ナチスドイツvs英国海軍。史上唯一の潜水艦同士の撃墜戦に隠された真実の物語。
【ストーリー】
タクシードライバーのカティはある時、祖母のエレンから客として指名を受け、ドイツからノルウェーの首都、オスロまで連れて行く羽目になる。無茶な要求に最初は苛立ち反抗心も持っていたカティだが、エレンの戦争体験を聞き心が変わる。
第二次世界大戦中、エレンはナチスに対抗し、レジスタンス運動に参加していた。ある時、エレンは、危機一髪のところでイギリスの秘密諜報員、ロバートに助けられる。その後ロバートからイギリスのスパイになってドイツの海軍将校、ハンスを誘惑することを打診される。ハンスはドイツの潜水艦、U-864に搭乗することになっているエンジンの首席技術顧問で、そのU-864には特別な任務が課されているというのだ。ロバートに好意を抱いていたエレンは、スパイになることを決心する。しかし、その決心とは裏腹にハンスに会うにつれ、次第にハンスの実直さに惹かれるようになっていった。そしてある日遂にU-864のルートを入手、ロバートの手に渡ったそれによりU-864の撃墜が計画される。そして遂に出航の日。エレンは全てをハンスに打ち明けるのだが…。
【映像特典】
予告編
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DVDのキャッチコピーに「撃墜戦に隠された真実の物語」とあります。U-864が発見されたことや、当時のU-864の行動は史実に基づいていますが、この撃沈が英国諜報員と女スパイの情報によるものだとか、裏でこんなラブロマンスがあったかどうかはわかりません。
劇中では、ドレスデンからオスロへの道中でUボートゆかりの地を訪ね歩き、キール、ラボエのU-995もチラリと登場するので、なかなかサービス満点。
ストーリーから察するに、Uボート本体はほとんど出てこないだろうと思いましたが、回想の中で少し登場します。見た目はVII型ですが、ここはIXD型だと思うことにして、艦内の撮影はミュンヘン/バヴァリアフィルムスタジオにあるU-96のセットで行われたようです。
http://www.sat1.de/filme_serien/am-ende-die-hoffnung/
U-864は大戦中に初めて潜水艦VS潜水艦の水中決戦となった艦で、1945年2月に撃沈されていますが、この対決自体にはあまり時間と労力を割いていないので、ここに期待してしまうと緊迫感ゼロです。潜水艦映画というよりも、Uボート士官と女スパイの悲恋を描いたメロドラマです。
ちなみに、U-864の史実についてはドイツ・カナダで2007年にドキュメンタリーが製作され、NHKでも放送されました。
ところで、主人公エレンと禁断の恋に落ちるハンス・メルテンス大尉。役柄上は、”(諜報員のロバート曰く)貧しい生い立ちの野心家”で、「一緒に育ったから愛してる」という理由で幼なじみと婚約。12歳の時に作ったノーチラス号らしき潜水艦オブジェを嬉しそうに見せて「市民向けの潜水艦がないから戦闘用潜水艦に乗ってる」と語り、エレンが「Uボートの航路はバレてる」と言っても「ボクを騙そうとしてカワイイやつめ」と取り合わない、そりゃもう、まぶしすぎて直視できないほど純粋な好青年。
役柄上とはいえこの役者の高貴さは何なんだ!と思って調べてみたら、演じているマクシミリアン・フォン・プーフェンドルフは、17世紀のドイツの法学者ザミュエル・フォン・プーフェンドルフの子孫のようで、その名の通り本物の貴族。祖父はなんとUボート士官(艦長だったって記事もありますが…)だったそうで、1943年5月にアメリカ沖で沈められたとのこと。本作で士官を演じるに当たり、祖父の航海日誌を読み、思いもかけず家族の歴史を知ったんだとか。私的にはこっちのほうが感動的です。
『Am Ende die Hoffnung(原題)』公式ページ
http://www.sat1.de/filme_serien/am-ende-die-hoffnung/
※2013/2/11変更