その他の潜水艦映画
ファントム 開戦前夜
PHANTOM
エド・ハリス主演の潜水艦映画『PHANTOM(原題)』、邦題を『ファントム 開戦前夜』に改め日本公開が決定したようです。
冷戦下のソビエト連邦を舞台に、壮絶な過去を持つ潜水艦長が、世界的核戦争の口火を切りかねない極秘任務を命ぜられる軍事スペクタクル。
核ミサイル強奪!アメリカとソ連が隠し続けた≪衝撃の実話≫
豪華キャストで贈る、軍事スペクタクル・アクション!
愛する者のため・・・。かつて人類滅亡の危機と、人知れず戦った男たちがいた。
1968年、冷戦下のソビエト連邦。3か月の航海任務から帰った直後に、”デミ”ことドミトリ・ズーボフ艦長(エド・ハリス)が命じられたのは、核ミサイルを備えた老朽潜水艦B-67の指揮。この任務には、彼がいつも従える乗組員の代わりに、多くの見知らぬ兵士が投入され、その中に2人の寡黙な「専門家」ブルニー(デヴィッド・ドゥカブニー)とゲイリン(デレク・マジャール)がいた。彼らはKGBが開発した、新しい設備≪ファントム≫のテストを行うために来たと主張。なぜ自分が、この任務に選ばれたかを疑問に感じていたデミが港を離れ、彼が作戦命令書を開封し、B-67がアメリカの船に遭遇した時、この不幸な艦長は、この任務の恐ろしい真意を理解し始める。老朽化した潜水艦が破壊されそうな深海で、デミと彼の乗組員たちは、極限下の勇気と技術で、ブルニーの陰謀に立ち向かう…。(作品資料より)
『ザ・ロック』で米海兵隊のハメル准将、『スターリングラード』ではドイツの狙撃手ケーニッヒ少佐を演じたエド・ハリスが、ついに海軍の潜水艦艦長としてソ連軍服に身を包みます。
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(2013/9/30追加)
ロシアがソビエト連邦と呼ばれていた時代、1968年に起こった、ソ連潜水艦「K129」の爆発事故の史実をもとにしたアクション映画。「K129」にまつわる話はディスカバリーチャンネルの潜水艦ものでたまに放映されますが、「核ミサイルが発射されていた」という身の毛もよだつ説をもとに、この潜水艦内で何があったのかをフィクションで描いています。
なので、結末はだいたい想像できると思いますが、そこに至るまでがもう異様な緊張感!艦長も副長も政治将校もKGBも一兵卒も、各々が各々の使命を果たすべく任務に徹して、ジョークも笑顔も安らぎもありません。核戦争の一歩手前の緊張と攻防戦、潜水艦映画の閉塞とスリル…という、いいとこ取り。
危うく超B級作品とかショボイ再現ドラマになりがちなジャンルですが、芸達者な役者さんによって重厚に仕上がってます。エド・ハリスの存在感は言うまでもなく、悪役に徹したデイビッド・ドゥカブニーも本当に憎っったらしいKGB急進派を熱演。そして際立っているのは、副長のウィリアム・フィクトナー。常に艦長を補佐しながら危機的状況に対処する、控えめな姿がダントツに素晴らしいです。次の潜水艦映画は彼でお願いしたい。ドイツ系らしいのでUボート艦長やって頂いても嬉しいです!年齢が…とか文句言いません!
乗組員 VS クーデターを起こす謎の客人…という対立があるので、頭脳戦とアクションも満載。何せ潜水艦の中の格闘なので、怒り心頭ブチキレ状態なのに大暴れできない、急いでるのに肩をすくめて小走り…というあたりが潜水艦ならではでチカラ入ります。エド・ハリスも青筋立てます。撮影はセットではなくて本物のディーゼル潜水艦(しかもサンディエゴ海事博物館の展示物)で敢行されたようなので、カメラ近いわ照明暗いわ…ってところも緊張感増大。
WW2にしても冷戦ものにしても、潜水艦ネタは出尽くしていると思うので新鮮味を求めるのも難しいですが、潜水艦映画の王道を押さえつつ、”本物の艦で撮影しました!リアルでしょ”とか、”一艦まるごと作っちゃいました!すごいでしょ”といった作品は、2〜3年に1本はコンスタントに作って欲しいものです。
2013年10月12日(土)より角川シネマ新宿他にてロードショー
配給は角川書店。
予告編はこちら(YOUTUBE 角川映画 宣伝部)
公式サイトはこちら→ http://phantomww3.jp/